この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
横浜在住の男性からの依頼。離婚したいが親権を絶対に譲りたくないとのことであった。依頼時において、すでに夫婦は別居し、子どもは依頼者である父親のもとで生活していた。
解決への流れ
母親に対する離婚調停の申立てをしたが、お互い親権を譲らず不成立となった。そこで、離婚裁判を提起した。妻の不適切と思われるこれまでの養育方法や子どもに対する言動を詳細に主張するとともに、現在の父の監護状況に問題はなく、子どもが健全に成長していること、今後の監護方針等について具体的、説得的に主張した。他方で、当事務所の弁護士が父親を指導し、積極的に母と子どもの面会交流を実施するようにした。【結果】親権について、家庭裁判所調査官による調査がなされ、調査官から親権者は「親権者は父親とするのが相当」との意見書が提出された。その結果、妻が親権を譲歩し、親権者を父と定めて和解離婚することになった。事案と経過の詳細はこちらをご覧ください。http://kamiookalaw-rikon.com/category/242
裁判所は、親権については、母性を優先する傾向にあります。子どもの年齢が低い場合は特にその傾向が強く、特別な事情のない限り、ほとんどと言っていいほど親権者は母親と指定されます。本件も子どもは未就学児であり、父親が親権を取得できるか、難しい事案でしたが、上記のとおり、父親が親権を取得しました。子どもが依頼者である父のもとで問題なく生活していたこと、母親の監護能力に若干の問題があったこと、父が母親を排除せず、子どもと母親との交流を積極的に認めていること等から、裁判所としても、子どもの環境を変えるべきではなく、現状を維持することが子どもの福祉にかなうと判断したものと思われます。弁護士が指導し、子どもとの面会を積極的に認めてきたことで、母親は離婚後も子どもと問題なく面会できると安心し、それによって、母親の譲歩を引き出し、和解による解決となったと考えられます。また、そうすることで、裁判所の母性優先の原則に応えることができたといえます。親権に関する詳しい説明は、こちらをご覧ください。http://kamiookalaw-rikon.com/kodomo/shinken監護権に関する詳しい説明は、こちらをご覧ください。http://kamiookalaw-rikon.com/kodomo/kango