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#モラハラ . #性格の不一致 . #離婚請求 . #別居

【性格の不一致】調停では離婚できなかったが、別居期間を経た後に訴訟を提起し、離婚できた事例

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鈴木 祥平 弁護士が解決
所属事務所みずがき綜合法律事務所
所在地東京都 新宿区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

依頼者Aさんは、妻のBさんと性格の不一致が原因で毎日のように喧嘩をするような状況でした。Aさんは、会社でリストラに会ってしまい、精神的に参ってしまっている状況の下、妻BさんはAさんに対して「あなたはお金稼いでこなかったら何の存在価値もないじゃない」などと暴言を吐かれました。Aさんは、Bさんと夫婦関係を続けることはもはやできないと考え、Bさんと別居をすることにしました。別居している最中にAさんは別の仕事を見つけましたが、以前の会社の給料の7割くらいしかもらえませんでした。妻に対しては、離婚を要求しましたが、「離婚をするなら毎月の生活を保障するくらいのお金を支払ってくれなければ別れない。」と頑なに離婚を拒否し、気付いたときには別居をしてから2年もたっていました。どうにしかして、妻Bとの夫婦関係を解消したいということで当職のところに相談に来られました。

解決への流れ

当職としては、相手方と離婚をしたいのであれば、家庭裁判所を間にはさんでお互いに冷静に離婚に向けて協議を重ねた方がいいと考えて、離婚調停を申し立てることをアドバイスしました。おそらく、相手方としてはAさんと夫婦関係を続けている理由は、経済的理由があるからであろうと考えていたので、任意の交渉では容易に応じないだろうと考えたからです。当職が代理人となって家庭裁判所に離婚調停の申し立てをしましたが、相手方は代理人を入れることもなく、「毎月の生活費相当額を支払ってくれるならば離婚をしてあげてもいい」と言う主張を捻じ曲げずに調停は6カ月ほど継続しましたが、調停はまとまらずに不調に終わりました。AさんとBさんには法律上の離婚事由がなかったため、判決になった場合に、離婚判決が出る可能性は少なかったのですが、別居が2年6カ月ほど続いていることから、このまま別居が続けばある婚姻関係が破綻していると判断をされかねないくらいの期間でした。そこで、当職としては、離婚訴訟を提起して、「裁判官を巻き込んだ形で離婚をするが条件について双方協議の上で整える」と言う方法で離婚に向けた話合いできるようにしようと考えました。訴訟において、相手方は当初は離婚を拒否していましたが、「この訴訟で離婚請求を棄却したとしても別居状態は続く、そうして別居期間が稼がれてしまったら結局は婚姻関係破綻ということになり、次訴訟を起こされたら離婚判決が出るということになる。だったら、そんな面倒くさいことするよりは、この裁判で決着をつけたらどうか」と言う当職から裁判所を通じた説得もあり、離婚をすることについては最終的に双方の意見は一致しました。しかし、離婚の条件について、なかなか折り合いがつかず和解交渉だけで5カ月ほどかかりましたが、最終的には財産分与に少し色を付けてあげることで和解離婚をすることができました。

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鈴木 祥平 弁護士からのコメント

当事者の一方に明らかな婚姻破綻の原因(不貞行為やDVなど)がない場合には、話し合いで相手方が離婚することに納得してくれなければ、訴訟をしても、裁判所は離婚を認める判決を出してはくれません。当事者間の婚姻関係が破綻しているかについて、裁判所から見て明らかであるとは言えないからです。「性格の不一致」という言葉がよくつかわれますが、夫婦は別々の人格なのですから「性格の不一致」があって当然なわけです。「性格の不一致」があるからと言って離婚を認めてくれるということにはならないわけです。夫婦というのは、「お互いに同じではない性格を前提に、お互いに折り合いをつけて共同生活をするものなわけですから。しかし、夫婦の別居期間がかなり長期化しているという事情がある場合には、婚姻関係が破綻していることを認定する大きな材料となるため、訴訟での離婚が認められやすくなります。ですから、仮に相手方が離婚に応じず、離婚原因に該当するような事情もない場合であったとしても、別居後の生活の見通しがつく場合には、速やかに別居を開始することをお勧めします。