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スシロー、非正規従業員が賃上げ求める「ストライキ」相次ぐ…3月に入って全国6店舗「時給1200円にあげて」
2025年03月18日 17時19分
#スシロー #非正規 #春闘 #賃上げ

大手回転寿司チェーン「スシロー」で、賃金引き上げを求める非正規従業員によるストライキが相次いでいる。3月に入って、全国6店舗でストライキが実施された。労働組合は「ゼロ回答が続いた場合、さらなるストも辞さない」としている。

大手回転寿司チェーン「スシロー」で、賃金引き上げを求める非正規従業員によるストライキが相次いでいる。3月に入って、全国6店舗でストライキが実施された。労働組合は「ゼロ回答が続いた場合、さらなるストも辞さない」としている。

●「時給1200円」への引き上げをうったえた

ストライキを決行したのは、スシローなど回転寿司チェーンで働くアルバイトやパート従業員でつくる労働組合「回転寿司ユニオン」。ことしの春闘でスシローに対して賃上げを求めてきたが、現在まで「ゼロ回答」が続いているという。

こうした状況の下、ユニオンは3月16日に宮崎恒久店(宮崎県宮崎市)、翌17日に吉野川店(徳島県吉野川市)でそれぞれストを決行した。

現在、宮崎恒久店に勤務するパート従業員やアルバイトの基本時給は1000円。ユニオンによると、宮崎市内の他店より50円安く、近くの同業他社より100円安い。会社側は時給について「立地や営業利益など総合的に勘案した結果」と説明しているという。

また、吉野川店は時給1050円であるものの、「業務内容や昨今の物価高などを考慮して」ベースアップを要求している。

ストの決行日には、シフトが入っていたパート従業員やアルバイトが参加。店の前でのぼり旗を掲げたり、来店者にチラシを配ったりして、基本時給1200円への引き上げをうったえた。

●ユニオンと会社はふたたび交渉のテーブルにつく

いずれの店舗とも、スト当日は通常営業。14人がストに参加した宮崎恒久店では、通常の半数ほどの人員しかいなかったため、県内外の店舗から応援の社員が派遣されて、接客などにあたったという。

このような対応について、ユニオン側は「スト破りだ」と憤っている。ユニオンは3月18日、スシローに再度、春闘の交渉を申し入れ、次回交渉は3月25日におこなわれることが決まったという。

ユニオン分会長の吉田帆駆斗氏は、弁護士ドットコムニュースの取材に「次の交渉でもゼロ回答が続いた場合は、再度のストライキも辞さない」と強調した。

●ストライキは「非正規春闘」の一環で実施された

今回のストライキは全国31の労働組合が参加する「非正規春闘」の一環で実施された。

スシローでは3月に入って、宮崎恒久店と吉野川店のほか、ヤエチカ店(東京都中央区)、吉祥寺パルコ店(武蔵野市)、仙台中山店(仙台市)、イオンタウン弥富店(愛知県弥富市)の4店舗でストライキがおこなわれている。

「スシロー」の親会社FOOD&LIFE COMPANIESは弁護士ドットコムの取材に対し、「現在、団体交渉中であり、先方の主張を丁寧に伺い誠心誠意対応しております。詳細につきましては、団体交渉中のためお伝えできることはありません」とコメントした。

※「スシロー」の親会社FOOD&LIFE COMPANIESからのコメントを追記しました。(3月18日午後7時39分)

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