17986.jpg
旧ビッグモーター、入社1カ月で「退職強要された」自死した新卒男性の遺族、労災不認定の取り消し求め提訴
2025年02月28日 16時51分
#パワハラ #ビッグモーター #退職勧奨 #労基署

旧ビッグモーターの新卒男性社員が退職勧奨が原因の精神障害で自死したにもかかわらず、労災が認められないのは違法であるとして、男性の遺族が2月28日、国を相手取り処分取り消しを求めて東京地裁に提訴した。 訴状や遺族によると、男性は2020年4月、新卒でビッグモーターに就職し、都内の店舗で働き始めた。

男性は会社側から求められていた自動車運転免許の取得が遅れていることを上司である店長に報告していたが、5月8日に実施された「環境整備点検」で免許があるかのように虚偽報告していたと決めつけられ、その日のうちに退職を強要されたという。

男性はその後、自死しており、男性の遺族は労基署に労災認定を求めたが、「執拗な退職勧奨はなかった」などとして認められなかった。

男性の両親は2月28日、東京・霞が関の厚労省で会見し、「ビッグモーターは人の人生をもてあそぶような会社でした。どうして息子の死が看過されようとしているのか。息子の無念をはらしたいと思っています」と思いを語った。

旧ビッグモーターの新卒男性社員が退職勧奨が原因の精神障害で自死したにもかかわらず、労災が認められないのは違法であるとして、男性の遺族が2月28日、国を相手取り処分取り消しを求めて東京地裁に提訴した。 訴状や遺族によると、男性は2020年4月、新卒でビッグモーターに就職し、都内の店舗で働き始めた。

男性は会社側から求められていた自動車運転免許の取得が遅れていることを上司である店長に報告していたが、5月8日に実施された「環境整備点検」で免許があるかのように虚偽報告していたと決めつけられ、その日のうちに退職を強要されたという。

男性はその後、自死しており、男性の遺族は労基署に労災認定を求めたが、「執拗な退職勧奨はなかった」などとして認められなかった。

男性の両親は2月28日、東京・霞が関の厚労省で会見し、「ビッグモーターは人の人生をもてあそぶような会社でした。どうして息子の死が看過されようとしているのか。息子の無念をはらしたいと思っています」と思いを語った。

●コロナで教習所が閉鎖されて免許取得できず

男性の父親は会見で、男性は入社前から自動車教習所に通っていたものの、新型コロナウイルス流行の影響で自動車教習所が閉鎖されてしまい、免許の取得が入社までに間に合っていなかったと説明した。

訴状によると、男性は店舗に配属された直後に店長に相談したところ、店長は「わかった。それはもうちょっと私の方で、ここで止めとくから、頑張ってすぐ取って一緒に頑張っていこうね」と指導した。

ところが、5月8日に店舗で本社の役員らが巡回する「環境整備点検」が実施され、男性は免許取得したという「虚偽報告」をしたとして、「会社や顧客を欺く危険性のある人間」と言われ、退職勧奨を受けたという。

男性は5月30日に自宅アパートで自死したが、室内ではスマホやパソコンが破壊されたり、会社から届いた退職届が破り捨てられていた。

●「退職強要は男性に強い心理的負荷あった」

遺族は労基署に労災申請したが認められず、その後も審査請求や再審査請求をしたものの、棄却されていることから、今回の提訴に踏み切ったという。

訴状では、男性が退職を強要された結果、強度の心理的負荷を受け、精神障害を発病したことは明らかであるとして、労災を認めずに自死の原因を業務外と結論づけた労基署の処分取り消しを求めている。

遺族は今後、ビッグモーターの後継企業である「BALM」を相手取り、民事訴訟も視野にいれるという。

【ビッグモーター問題】

中古車販売大手だったが、2022年から2023年にかけて、自動車保険を不正に請求していた問題が発覚。「環境整備点検」と称して本社の役員が巡回する制度では、店舗の清掃などが行き届いているかといったこともチェックされ、店舗前の街路樹に除草剤をまくといった事件など、さまざまな不祥事を起こした。不祥事の発覚後は経営が悪化し、現在は主要事業は新会社「WECARS」と、保険金不正請求への対応は「BALM」にそれぞれ分割されている。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る