7599.jpg
大荒れ「かぼちゃの馬車」説明会の内幕、釈然としない説明に「生き残るのはおかしい」
2018年04月13日 14時52分

シェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営会社スマートデイズ(赤間健太社長)が自主再建を断念し、民事再生法の適用を申請した問題で、4月12日、東京都内で第1回オーナー向け説明会があった。弁護士ドットコムニュースでは関係者から入手した音声データなどをもとに詳報する。

シェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営会社スマートデイズ(赤間健太社長)が自主再建を断念し、民事再生法の適用を申請した問題で、4月12日、東京都内で第1回オーナー向け説明会があった。弁護士ドットコムニュースでは関係者から入手した音声データなどをもとに詳報する。

●「問題起こしながら生き残るのはおかしい」

「なんなんだよ」「ふざけるな」「ちゃんとしゃべれよ」「頭をもっと下げろよ」「社長なのに自分の意見も言えないのか」ーー。4月12日夜、東京都千代田区のビルの会議室。スマートデイズ側の説明が釈然としないと感じたオーナーたちはこうした言葉を投げつけ、憤った。約150人が参加し2時間ほどにわたって開かれた。

スマートデイズは、債務の一部を免除するなどして作る再生計画に基づき、会社を存続させながら再生を図る民事再生を選んだ。今後つくられる再生計画に債権者が賛成するかどうかが焦点となる。破産ではなく再生法の適用を申請したのは、「入居者保護を図るため」と説明。現時点で入居者は357人いることも明かした。

一方、オーナーは約700人。大多数がシェアハウス建築のためスルガ銀行から1億円超の融資を受けた一般の会社員で、スマートデイズが一方的に保証賃料の支払いをゼロにしたことで多額の借金返済に苦しんでいる。すでに自己破産に追い込まれた人も少なくないとされる。

説明会で、被害弁護団の河合弘之弁護士は「破産をし、営業継続の許可を裁判所にとって入居者保護をやるというのがふさわしい。スマートデイズがこんな問題を起こしておきながら生き残ろうとするのはおかしい」。損害賠償請求訴訟を起こした原告の代理人を務める加藤博太郎弁護士も破産を求め、オーナーたちも破産に賛同する声を次々とあげた。

●スマートデイズ側、破産手続きも視野

スマートデイズの代理人を務める南賢一弁護士は、再生法の適用申請を受け東京地裁が既に保全命令を出しており、法律上、取り下げはできないことを指摘。ただ、この日の説明会で破産を求める声が多いことがわかったとして、「もともと最終的には破産手続きがいいと思っていたが、その時期等についても真剣に」と、今後、破産手続きに移行するため裁判所や監督委員に相談する考えを示唆した。

東京地裁により監督委員に選ばれた清水祐介弁護士もオブザーバーとして参加。「社会的にも極めて注目されている事件で、身の引き締まる思いだ。手続きとして民事再生は適切なのか、あるいは破産も含めた他の手続きなのかという論点も当然含まれる」と述べた。

スマートデイズによる第2回オーナー向け説明会は4月14日午後2時から、東京都千代田区の「TKPガーデンシティPREMIUM秋葉原」で開かれる。

(取材:弁護士ドットコムニュース記者 下山祐治)早稲田大卒。国家公務員1種試験合格(法律職)。2007年、農林水産省入省。2010年に朝日新聞社に移り、記者として経済部や富山総局、高松総局で勤務。2017年12月、弁護士ドットコム株式会社に入社。twitter : @Yuji_Shimoyama

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る